nimem’s blog

雑念の墓場

開くこと

今年はずっと閉ざしきりだった。というかおおよそ大学生活は閉ざしきって、自分のなかの世界でいろいろ探求したり遊んだりと、まあ引きこもってはないけど、精神的にはひきこもりの状態だったなというのが今年を含めて大学生活を振り返っての感想かな。来年からは就職してはたらくわけで、こういう閉ざしきった生活はできなくなる。いやでも外の世界でサバイブしていかなくちゃいけなくなるわけで、そんな世界でやれ真理だのやれ快楽だのやれ趣味だの言っていられない気がする。もちろん趣味を捨てるわけじゃないけど、趣味メインの生活ていうのはまずできないだろうと心して置かなくちゃいけない。

まあ大学生活は実際のところ友達をつくることもなく、誰ともしゃべることのない四年間をずっと貫いてきたわけで、別にそういう生活を美化する気はないんだけど、ただ自分の生活スタイルがそういうものだったって結果だけなんだよね。大学だって別に本腰を入れて勉強する!とか講義に出る!みたいなことはなくて、テストがない講義をいろいろとったり興味ある講義をとったりして、けっこう悠々自適な生活を送ってた。まあ僕が専門に選んだのが哲学だってこともあって、テストとか暗記が皆無だったってのはけっこういい具合に作用したかなと思う。ほとんどすべての時間を自分のためにあてることができて、やりたいと思ったコンテンツはやり尽くしたと思う。言い方はあれだけど、遊びたいことや興味あることはすべてやりきったと思う。ゲームもしかり音楽もしかり読書もしかり、知りたいやりたいと思ってたことは大学生活のなかで堪能したと思う。読みたいと思ってた超長編みたいな世界文学とかも読めたし、やりたかったゲームも今までやってこなかったぶん取り戻してぜんぶやれたし、音楽もジャズとかクラシックとか有名所はぜんぶ聴いたと思うし、それが楽しかったかとかなにか自分のなかに響いたかとかは別にして、少なくとも自分のなかに通過させた。これはやっておいてよかったことだよね。

でもその反面でいざ大学を卒業する!とかいざ社会のなかでサバイブしていく!てことを考えると、大学生活で考えてたこととは別のことを考え始めるのよね。それがここさいきん、卒業を見据えていろいろ動いている中で考えてることなんだけど、いざ自分がこれから数十年生き抜いて死んでいくってことを考え出すと、自分の趣味の追求とは別の場所が見えてくる。まあめんどうな言い回しなしでわかりやすく言えば、結婚とか葬式とかそういうことね。自分が老けたときにも今みたいにひとりでいるのか?とか死んだ時いったい誰が自分の死体を片付けるんだ?とかね。そういう死ぬこととか老いをちゃんと考えると、それこそ哲学的にって次元じゃなくてわりとプラクティカルに生活に関わるかたちで考えると、やっぱりひとりじゃくて誰かと一緒に生活したいって欲が出てくるのね。で、まあ結婚ていうことになるんだけど、今までの閉じた生活じゃ、付き合ってる人はおろか、友達さえいない始末だからだめだよなってことになってくる。自分の生活を、精神?みたいなものを開いていかなくちゃいけないよなってことになってくる。自分の殻?に閉じこもってるんじゃなくて、やっぱりコミュニケーションの重要性がわりと生きるために必要って次元で浮かび上がってくるわけです。

それはたぶん彼女がほしい!とかエッチなことしたい!みたいな欲求めいたところではなくて(もちろんそういう欲求はあるけど)、もっと深い場所に欲の根があるんだと思うし、だからこそなおさら深刻な問題なんだよね。シリアスな恋愛?てか恋愛っていう浮いたような次元じゃなくて、生きぬくってことと関わるわりと真面目な問題だなってことに思い当たるんだよね。今までは別に女に時間と金を使うなんてみたいな笑次元でしかこういう事考えてこなかったし、自分もあんまり性欲みたいなものは旺盛な方じゃなくて、彼女がほしいってあんまり感じなかったんだよね。彼女をつくるよりも、ゲームとか音楽とか読書とか、大学時代のひまな時期にしかできない、自分探し笑みたいなことをやりたいって欲のほうが勝ってたし、言い方を変えればそういう浅い次元でしか人間関係を考えてこなかったってことだよね。

哲学者は孤独であるべしみたいなことを真面目に捉えてた感がいなめないし、そういう意味でロマンチックてかプラトニックな志向こそがより崇高な人間であり、恋人をつくっていちゃいちゃしてるやつらはみんなアホだくらい思ってたかもしれない。そういうことじゃないんだよなって最近になって思う。まあもちろん下半身に正直に笑たくさん彼女作ってとっかえひっかえで遊ぶことを楽しむって次元のひともいるだろうけど、そういう人間がイコール結婚とか恋愛ってわけじゃないでしょう。もっと真面目に人と関わることを考えなくちゃいけない。それは自己顕示欲とはやっぱりちょっとちがう次元にある恋愛なんじゃないかなと、まあ頭の中でだけど思うわけです。なにせここで重要になるのは、自分がどんなに素晴らしい人間で魅力ある人間で、かっこいい男かみたいなことではないでしょう。そういうインスタントな人間性は、シリアスなそれこそ結婚みたいな話とはぜんぜん関係ない話だよね。まあ一夜限りの楽しみみたいなところとは関係あるんだろうけど。自分がどういう生き方がしたいかとか、もっといえばどういう死に方がしたいかみたいな話で、やっぱり人生観ていうのかな、生きるってことをどう捉えているかみたいな深い次元でのコミュニケーションが重要になってくると思う。もっともインスタントなファッションとか魅力が関係ないみたいなことは言う気はないけど、それはあくまでもオプショナルなものなんじゃないかな。

まあてなわけで来年の目標は自分を開くことかな。恋愛に限った話じゃなくて、もっと人間としての自分を磨く?みたいなことに力を入れたいね。趣味を磨くのも大事だけど、やっぱりコミュニケーションを洗練していくこともおなじくらい大事だと痛感するからね。